わすれもの

過ぎた人の夢を見て あの頃が堰(せき)を切る
押し黙る部屋がしらを切る 俺はもう何年ここにいる

手に余る程の昔はこぼれて
同じ春に何もきこえなくて

手帳に残されたいくつもの記念日
思い出せる僅かな君の言葉や声は
穴だらけの日々に優しく泣いていた

笑う人の影を見て 情熱が歳をとる
先月の金は半透明 時計はとうに残らず捨てた

背に腹もない季節は流れて
誰かを待っているような顔をして

口にする程 色を失う言葉と
諦めてた幼い俺を
真っ直ぐに照らす君の目が
記憶にそっと色をつけて

たくさんの足音がきこえた

手帳に残されたいくつもの記念日
思い出せる僅かな君の言葉や声は
穴だらけの日々に優しく泣いていた

たしかに残ってる
夕陽の中で待つ君にかけた愛の言葉も
消えないように歌ってくよ
日々は優しく咲いていた
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