花の片隅で

ああ、君が見える
薄情者の君が詩を書いてる
人生についての言葉を花瓶のすぐそこで
“なあ、答えをくれよ
経験や知識があったって
この世界は分からないことだらけだ”

海は透明だ
人生よりも透明だ
だから、もう分かんないよ

花のように散っていく
君が思い出になって征く
さよなら、1つも言葉に
残さないまま

言葉になっていく
文字になっていく
思い出だけが全てだ
ただ、遠く泣いていた
“どうにでもなれ”

ああ、泡沫になる
記憶の底に君が落ちていく
“幸せの外を描いていた
夢だって、嘘だから”

君が憧憬だ
人生は残酷だ
枯れたままの花の片隅で

思い出も散っていく
詩になっていく
声すらも届かない夜
空気に触れている

心に泣いている
言葉に咲いている
思い出だけが全てだ
何も残らないままに
何も描けないほどに

僕の中の人生はきっと誰かの中にあって
夢で描いた一生も、褪せないままでいた
思い出になってもいつか
君の脳裏から消えてしまうだろうから
何か1つこの世界に僕を残した

あぁ、涙なんてずるいよなぁ
姿を見せては消えて往く
都合のいいように溶けていくから
寂しさも愛も優しさも全部
君が亡くなってから、気づいたよ
遅いよな、遅いよなぁ

思い出なんて最低だ
消えない痛みになっていく
蓋をしたって空の青さで
全部が無駄だ

日々になっていく
影になっていく
何も残らないままに

花のように散っていく
君が思い出になって征く
さよなら、1つも言葉に
残さないまま

言葉になっていく
心に咲いている
思い出だけが全てだ
ただ、遠く泣いていた
“どうにでもなれ”

ああ、君が見える
薄情者の君が詩を書いてる
人生についての言葉を花瓶のすぐそこで
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