いつも港は雨ばかり

潮の匂いが しみついた
暖簾(のれん)取りこみ 火を落とす
来るか来るかの ため息に
今日もしとしと 走り雨
浮標(ブイ)の灯りに あなたが揺れる
いつも港は エー 雨ばかり

五(いつ)つ並んだ 止まり木が
三(みっ)つふさがりゃ おんの字の
こんな小さな 店なのに
離れられずに 夢つなぎ
もしやもしやで また秋がきた
いつも港は エー 雨ばかり

女いのちと つくしても
恋は男の 雨やどり
嘘か誠実(まこと)か 気まぐれか
きけばおさまる 胸の内
別れ潮どき とびたつ鴎
いつも港は エー 雨ばかり
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