トラウマ

雨の音に怯えて
また鍵を閉めなおしてる
心も恐怖で閉ざされて
朝のひかりに解かれる

風のにおい染みこむ
なつかしい香りは脳につく
瞼閉じて見れば冴え渡り
加速してく追憶

溶け出した記憶は鮮明で
昨日のことは忘れても
木を踏む音 汚れた服 嘘の匂いも
そこに立つ あの人も

カゴの中の鳥たちは
扉開けてもヒトの家
私もドア開けて何処へ行けば
自由だと言えるだろう

溢れ出す記憶は水のように
心はまた枯渇する
冷たい目も 低い声も 涙の味も
あの場所でうずくまる

これは後悔 それとも人生か
最期はまた思い出したい
あたたかな手 やさしい顔 嘘の匂いを
深い眠りにつくときは
永い眠りにつくときは
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