傷を隠して

空っぽの笑顔で受け流す あなたを見かけた
瞳は揺れていて 古傷が疼いた
上っ面の愛嬌に弾む声 あなたを知るほど
似ていると思った 何かが引き合った

夜の毛布に2人くるまって

傷を隠して 生きてきたって
分かるよだって 同じだった
怯えるような 顔で笑った
痛いのなんのなんてだって
手に取るように それが解った
寄り添える、そんな気がした
古傷が騒いだ 過去は意味を持った

錆び付いた心臓が軋む音 ギブスで固めて
期待しないように 心触れぬように
誰かの感傷も流れ込む ご機嫌はいかが?
記憶が蘇る 悪夢でまた萎える

冷えた足先そっと触れ合った

傷を抱えた 目だとわかった
だって自分と 同じだった
臆病そうな 色をしていた
痛いのなんのなんてだって
溶け合うように 一つになった
生まれた意味までも悟った
傷跡をなぞった 答えなら解った

傷を隠して 生きてきたって
分かるよだって 同じだった
怯えるような 顔で笑った
痛いのなんのなんてだって
あなたに会えて 1人じゃないって
癒し合う2人になった
古傷も愛しく 過去は意味を持った
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