赤坂たそがれ

小ぬか雨ふりやまず 傘をかたむけて
どこへこれからゆくの 一ツ木通り
ここらあたりの お店にいると
うわさ頼りに たずねて来たが
あの人の姿はなくて 灯りがまぶしい
たそがれにつつまれた赤坂の街

サヨナラも云わないで ひとり消えた人
せめてその訳どうか 聞かせてほしい
甘く抱かれた あの日のことも
みんな忘れてしまえというの
怨んでも駄目なの 私あなたが恋しい
たそがれに泣いている赤坂の街

探し疲れてテラスの椅子に
ひとり私はもたれているの
あの人に逢えない私 今日また暮れる
たそがれがせつないわ赤坂の街
×