約束のルビー

いたずらな天気雨みたいな
曖昧ではっきりしない夜
ささくれて消えることのない
ほころんだ夢淡く光る

「愛してる」
そんな言葉じゃ足りない
溝があるの

戻らないとわかっていても
ふたりかさなりあった手には約束のルビ
流行り風邪、まやかしの微熱
冷めきったこの手の温もりは媚薬
雨上がりのサニー

気まぐれな雲行きみたいに
それなりの出会いも別れも

「愛してる」
そんな言葉が何度も
夜空に滲む

戻らないとわかってるのに
誰か愛してたとしても嘘つきのロマンス
忘れたいと思っていても
溶けては染みついた氷の記憶
鈍く光るルビ

戻らないとわかっていても
ふたりかさなりあった手には約束のルビ
流行り風邪、まやかしの微熱
冷めきったこの手の温もりは媚薬
雨上がりのサニー
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