さすらいのギター

たかだ一人の 女のために
寝てはまぼろし 起きてはうつつ
ああ みだれる絃よ 我胸よ
ながれながれる 身の果ては
どうせ野ざらし 雨ざらし

月の色さえ 淋しい秋を
ギター抱えて 街から街へ
ああ 流れる雲よ 初恋よ
旅の燕も 帰るのに
恋し故郷にゃ いつ帰る

声も姿も うらぶれ果てて
うたう街角 酒場のあたり
ああ 見果てぬ夢よ 若い日よ
なぜに忘れた おもかげが
旅の日ぐれにゃ 見えて来る
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