窓辺の羽根

忙しさ言い訳に
この頃 逢いに来れなくて
顔 見るたび 大丈夫かと
あゝ心配かけて ばかりだよね

くりかえし聞かされる
若かった頃の話
ねぇ懐かしい あの家に
いま帰れる道を知りたい

ごめんねだけが 増えてゆく
心がなんだかせつないな
あの窓からも あの空は
ちゃんと見えるのに

思い出を仕舞う棚
突然閉ざされてしまう
そう いまでも 僕だけは
まだ 走り回る 子供だろう

また来ると告げるたび
笑顔が下手になってゆく
そっと重ねてくれる手を
ただ強く握り返すだけ

時間は誰の贈りもの
分け合う術もわからない
あの空からもこの窓は
ちゃんと見えるのに

ごめんねなんて言わないで
ほんとはもっとそばにいたい
この窓からも あの空は
ちゃんと見えるのに
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