絵本

それはそう遠くない昔
とある誰かの話
うそが下手っぴなオオカミと
気まぐれなねこの話

ある日ふたりはお出かけ
ものめずらしげなヒト
肩をくんで気にもしないで
夕陽が長く伸ばす影

絵本みたいに読み返したい
思い出のページと消えないセリフ
そう思うのは僕だけかな
もっともっとって紡ぐ物語の
終わりはない

それはそう遠くない昔
ないしょでお出かけして
下手なうそでその場しのぎ
きっとうそもバレてたね

ある日ねこはないていた
床は水玉模様
キレイだねって取り繕って
部屋中に響くなき声

絵本みたいに読み返せない
しわくちゃのページと消えない台詞
そう思うのはきみの方だね
ずっとぎゅっとって握る手の平には
涙模様

絵本みたいに驚かせたい
キラキラとお揃い似合いますように
そしてふたりお出かけしよう
もっともっとあの虹の始まり

絵本みたいに読み返したい
思い出のページと消えないセリフ
そう願うのはきみだけじゃない
もっともっとって紡ぐ物語に
終わりはない
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