紙飛行機は手の中にあった

物心ついたとき
七棟の団地 裏の給水棟
昇ったり落ちたり水の音
休みなく働いている

ビデオテープ 怪獣家族
きょうだいはただ かじりついてた
下のふたりを抱きよせ眠る
ママは私を抱いてくれた

目の下まで 前髪が伸びた
その隙間から 見る狭い世界

夢みたいなことと笑われても
夢じゃなくなる瞬間を知りたい
紙飛行機は 手の中にあった

したいことが増えていく
足りないことも突きつけられた
人差し指が追った雲の上
あの飛行機はどこへ行くの?

家族をなんとかしたかった
でも力が足りなかった

夢みたいなことと笑われても
夢じゃなくなる瞬間を知りたい
夢みたいなことと笑われても
夢じゃなくなる瞬間を知りたい

ただそれだけ
あとは飛ばすだけ
まだなだけ

ただそれだけ
あとは飛ばすだけ
まだなだけ

紙飛行機は 手の中にあった
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