jamais vu

次々に消え 浮かび上がった文字は
組み換えられて
意味をなさずに ただ光るだけ

雨の匂いが 立ち込めるアスファルト
足を踏み入れ 立ち尽くしている僕は

何をこんなにも 彷徨って 求めて
何故ここに いるのか

何処から来たのか 溶け出す 景色
見たことあるのに 記憶には ない

何処にも行けない
呼吸も意味も 絶え絶えに途切れ
記憶を 消し去った

人を詰め込んだ地下鉄の中 ひとり
暗闇は 眼の焦点を少し ずらそうと する

雨の匂いは 頭の奥 消えないで
見知らぬ街を あてもなく ただ歩いて
どうしろと言う?

何処にも行けずに 歪んだ 景色
君なんて 知らない
僕こそ 誰だ

何処から来たのか 何処へと 行くか
途切れた記憶は 全てを もぎ取った

君はもう誰かも 僕には わからない

幾度も 重なる残像 そして
止まない 雨音
剥ぎ取る 記憶

何処にも行けずに 沈んだ 記憶
知らない言葉と 知らない音と

何処が 始まりで
何処が 終わりか
振り出しに戻り また回る この世界
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