春の日に

いつのまにか大切だった事も
大好きだった事も
忘れてしまうのかもしれない

先の事なんて分からない
桜の木だから春に桜が咲くのだろうと
それも今は多分としか言えない
わたしはまだ早い春の雨

らしくない見た目になった
夏も秋も冬も
誰かがその「多分」を待っていた

確実な事はきっとない
絶対も永遠も約束できない
ここまでと決めて絶望して
終わらせてしまうのは君の勝手だ

梅の花が先に咲いたって
焦ることはないはずだよ
まだいける まだやれる
希望を持つのも君の勝手だ

いつのまにか大切だった事も
大好きだった事も
忘れてしまうのかな
散っていって折れかけて
咲くのも忘れてしまうくらいなら

わたしは明るく勝手をしよう
成すのも成らぬのも自分次第なら
馬鹿にされようと

枝しかない桜の木でも
満開のピンクの景色を見よう

忘れそうなときは
ぼろぼろな君を思い出そう
無駄なことはなかったねと
笑って話そう
春の日に

いつか来る未来に
手を伸ばそう

目を閉じたままでは見えない光も
開けばそこにある
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