オレンジの逆光

いつかの夏 置き去られた 誰かのベースボールキャップ
「密漁禁止」のサインボードに ぷらり揺れている

君との日々も あんなふうに うっかり色褪せればいい
勝手に背負い込んだ後悔も下ろせずに...

さっさとせっせと君を忘れようと
あっちへこっちへ自分を連れ出したって
目も耳も鼻も口も 君へとリンクしたがる
散々と清々と捨てた思い出が
あっちへこっちへ迷って 静かに満ちて
また心の裾 濡らす

君と過ごした街に浮かぶ塵や埃は
この浜辺じゃ うねり照らす綺麗な夕日

分かり合えず澱んだあの日も 離れて見れば愛しいけど
何度やり直してもふたりじゃ 汚れた空

さっさとせっせと君を忘れようと
あっちへこっちへ自分を連れ出したって
目も耳も鼻も口も 君へとリンクしたがる
散々と清々と捨てた思い出が
あっちへこっちへ迷って 静かに満ちて
また心の裾 濡らす

厄介だ 厄介だ 波のように押し寄せて
愛情って 愛情って 時に無慈悲なものね
愛は海 まさに愛は海
立ち尽くす僕の 地面まで奪っていく

厄介だ 厄介だ オレンジの逆光だ
愛情って 愛情って 時に無慈悲なものね
愛は盲目 まさに愛は盲目
夕焼け小焼けで 君以外は影
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