夢言

別れた人の想い出が
思う程 やさしくなって
夜毎 夢の中に よみがえる

走り梅雨 去った後の
どんよりした つゆ空に
紫の傘 あざやかで

公園で たわむれてる
子供達の はしゃぎ声
遠く近く 耳に残って
ポツリとあなたのつぶやき
あまり 突然
待つ女(ひと)が いるなんて
知らずにいたなら……

激しく燃えつきた後の
なまぬるい体をむりに
ひきずりながら 歩いていて

肌に感じる 空気が
生まれてから はじめて
ふるえている そんな気がして

ことさら 涙があふれて
こらえきれなかった

狂ったほど 愛する事を
捨てられたなら

狂ったほど 愛する事を
捨てられたなら

夢の中のあなたは もう何も語らない
夢の中のあなたは もう何も語らない
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