Grieve

篠突く雨に見舞われ
騒めく心臓が
「その扉は開くなよ」
拒むようだ

漠然とした予感
当たるな、どうか間違いであって…
何故僕の名を呼ぶ声に
面影を感じるんだ?

熱を帯びてく
感情をただ噴かすように 心が叫ぶ
疾うに慣れたはずの痛みなんかで
何かが軋む音を聞いた

「どうして 泣いているの?」
君は問う
そんな無邪気でやるせない
幻想を見てた

言った通りだ
なぁ、耐え難いだろ?
いい絶望っぷりだ
嘲笑ったその声に
返す言葉もないや

心地よい夜が君を連れ去って
取り残されてく
二度と返らぬ日々を
惜しんでは悔やむだけ

下手くそに繕った仮初の愛が
本物だったと気付いてしまった

熱を帯びてく
感情をただ噴かすように 心が喚く
疾うに枯れたはずの涙なんかが
今更 溢れて止まらない
「どうして? 泣かないでよ」
木霊する
延々続く 最低な幻想を見てた

悴んだ手を握りしめて
一頻り項垂れたらまた歩もう
戻れ!戻れ!
振り立てようとも叶わないなら

どうしようもなく憎らしくて
どうしようもなく愛しいもの
君に 君に 貰った全て噛み締めて
終止符を打つよ

今 この手で
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