悲しみに挨拶を

ぼくの家の空にいつも
ポツンと浮かぶ千切れ雲
あれはぼくの心をちぎって
空へ置いてきたのです
だからどこかぼくに
似ているでしょう

一人ぼっちが とても淋しくて
二人が暮らした はずだったのに
淋しさばかりが くるくると
空へ舞い上がる

歩くあなたの肩をたたく
傘から落ちた雨のしずく
あれはぼくの悲しみ溶かし
空へ置いてきたのです
だからどこか涙に
似ているでしょう

一人ぼっちが とても淋しくて
二人が暮らした はずだったのに
淋しさばかりが くるくると
空へ舞い上がる

ぼくの夜空にいつも
しずかに光る星ひとつ
あれはぼくの夢を捨てて
空へ置いてきたのです
だからどこか夜は
悲しいのです

一人ぼっちが とても淋しくて
二人が暮らした はずだったのに
淋しさばかりが くるくると
空へ舞い上がる
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