浜のたそがれ

別れともなき 別れゆえ
三たび手を上げ 去り行きし
こいしの君が 面影を
しのびて嘆く 波の唄

幾度すくえど さらさらと
指をくゞりて こぼれ散る
はかなき砂の わが運命(さだめ)
涙は熱く 幸淡し

思い切られぬ 嘆ゆえ
呼べどかえらぬ 姿ゆえ
砂山蔭に 身を伏せて
日ぐれの風を 遠く聞く
×