風のかたみ

やがて秋が忍びよります
愛がひとつ終りを告げます
墨絵ぼかしの山裾あたり
落葉の下に眠らせましょう
あなただけに 注ぎつづけて
疲れきった私の愛です

やがて雪が降り積もります
愛がひとつ眠っています
雪化粧の山裾あたり
いまでは誰もさがせはしない
あなたひとり頼りつづけて
ちからつきたわたしの愛です

やがて雪がとけはじめます
愛がひとつ流れだします
雪どけ水の谷間をくだり
どこへ流れて行くのでしょうか
もう迷子にしてしまいます
また誰かを愛せるでしょうか
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