おまえに幸あれ

モミジのような おまえの小さな手に
父さんの宝物を 持たせてあげる
母さんとお揃いの 茶色のおはし
母さんからもらった 銀色のペン
生まれたばかりの 私の娘よ
おまえに幸あれ おまえに幸あれ

澄んだ瞳が 今にも壊れそうで
父さんは一晩中 眠れなかったよ
朝までお呪(まじな)いを 唱えてばかり
あぁ“アブランケンソワカ” 魔除けの呪文
スヤスヤと眠る 私の娘よ
おまえに幸あれ おまえに幸あれ

いつか二十歳(はたち)の 大人になった時に
父さんの恋の歌を 聞かせてあげる
暖かな春の日の 淡い想い出
母さんと出逢った 夕暮れの道
あどけなく笑う 私の娘よ
おまえに幸あれ おまえに幸あれ
おまえに幸あれ おまえに幸あれ
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