詩人の死

あなたはもういない
立ち去ったのではない
連れ去られたのでもない
人間をやめただけ

八月のあの炎天下
プラカードを掲げながら
国民でも人民でも市民でもなかった詩人
ただの自分でしかなかったあなた

あなたを読むことができる
否定することもできる
でももう傷つけることができない

思い出へと追いやらずに私は生き続ける
ただひとりのあなたとともに
大勢の呟きと合唱と怒声に逆らって
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