恋人たち

明日晴れたらきみに電話して
どっか遠くまで電車に乗っていこう
白いあたらしいシャツ
青いトートバッグ
ぼくらの運命は小田急線の中

太陽がいつだってすべての証人で
暑さに追われ まぶしさにやられて
ぼくらの大きな罪の海だって
ひからびてしまうあたたかさを待つ

恋人たちはいつもおんなじ顔で
くちづけしては笑っている

夕方になればいつものスタイルで
なにか食べたり なにか飲んだりする
夕陽を待つときやっぱりしんとして
ぼくらの影は未来の形になる

砂に埋めてみる なにか埋めてみる
ぼくらを縛りつけるものを埋めてみる
その頃星が見える ぼくは目を凝らす
きみの髪が揺れる すべてが輝く

恋人たちはいつもおんなじ顔で
くちづけしては笑っている
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