赤城想えば

赤城颪の 身に染む夜は
今も聞こえる あの子守唄
坊やよしよし ねんねしな
山の鴉が 啼いたとて
粋な忠治は
戻りゃせぬ 戻りゃせぬ

男ごころに 男が惚れて
月のひかりに 交した仁義
山のみどりよ 沼の水
意地と人情の うれしさは
今も昔も
変りゃせぬ 変りゃせぬ

小松五郎の 血刀さげて
月にうそぶく あのみだれ髪
すがた消えても 名はのこる
春はやさしや 峰々に
忠治すみれの
花が咲く 花が咲く
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