昨日

ドアを開けた 昨日のまんま そのまんま そのまんま
窓を開けた 今日は見えない 昨日のまんま 昨日のまんま

カーテンの色は白 机も白 家電も白
絨毯とソファは緑色 貴方が好きだった緑色

洗濯物 部屋干しのまんま お布団も抜け殻そのまんま
夕飯のお茶碗台所 丁寧に潰したビールの缶

冷蔵庫 水出しの麦茶 魚肉ソーセージは貴方のもの
チョコレートは私のもの 明太子パスタは二人のもの

早く起きれるのは私の特技 沢山眠れるのは貴方の特技
布団に頭を突っ込んでる しろくまの抱き枕は貴方の仕業

テレビをつければ日付は今日 今日が私を引きずり出す
いちいち告げるのよ “おはようございます。”
こんな朝は迎えたくなかったのよ

貴方がいなけりゃ意味ないじゃない
貴方がいなけりゃ生きられないじゃない
魚肉ソーセージはどうするのよ?
私そんなに好きじゃないのよ

昨日までの記憶を埋め尽くす
今日に貴方はどこにもいない
今日に貴方はどこにもいないなら
明日にもきっと貴方はいない

ぷつりと切れた幸せの糸
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