春はバス

春はバス それに限る
朝方 君に電話する
行き先なんてすぐに変わってしまうんだろうな

夜中に雨が降って
小さな窓を叩く時
寂しさを知った人は
会えない景色に気づいてもう
帰りたくないってさ

揺れる車内の中では
たまに独りごとを言うから
逃すことなく聞き取って
わたしが眠るまで

飾らないあなたの言葉は
やるせない日々の続きを
見たくなるような調べ
また聴けるだろうか

春はバス それに限る
朝方 その調べをなぞると
ああ正しさは居なくても変わらない
車窓についた花びらがさ

振り落とされて舞うあと
踏み潰されるとわかっても
今は綺麗と歌うのよ
涙が乾くまで

乗り合わせたこの今が
大事なことに変わるまで
胸を痛めていれるまで
バスを降りるその時まで

そうしてあなたに電話する
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