現代音楽

何ひとつ触れない
溶けかけた俺の手は
勝ち負けを逃げてきた
貧弱な自己主張の結果である

不思議とバレてない
ややこしい思想の真相
後付けの薄汚れ
雨が降ればもうお終いなのである

かさばり出したあれやこれ 悩み抜いた夜も
呆れる程に見事に ハリボテの等身大
逆さまに描いたビルの街
二度と戻れない あの空みたいに

街には人生を捨てた中年たちが
煙草をアスファルトに擦り付けて
最後の火を消したのである

かさばり出したあれやこれ 悩み抜いた夜も
呆れる程に見事に ハリボテの等身大
様々に駆ける人生が 堪らない夜も
確かめている 俺には見上げるだけの秒針さ
逆さまに描いたビルの街
二度と戻れない あの空みたいに
×