~糸車~

胸をふさぐものを
ひとつ重たいものを
抱いて歩く 生きる
そう……誰もがきっと
にぶい都会の陽ざし
つかれはてた愛
ゆれて男と女 ~糸車~
止める恐さ 若さ
立ちつくして負けて

瞳そらすことで
消えるものなどないと
知った去年の秋
ふいにむかしが見えた
熱にふるえた こぶし
死んだ 青い鳥
あなた、あの頃、あいつ ~糸車~
ひとりつなぐ糸に
やっと夢をのせた

鉄の扉あけて
旅に出ようと決めて
軽いめまいの中
立ちあがれば夜明け
明日(あす)という字を掴む
時をかけのぼる
弾むこころが戻る ~糸車~
まるでうそのように
透きとおって止まる

好きなレコード廻す
シャツをぬぎすてる
白いこころが戻る ~糸車~
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