ロータリーを抜け出せ!

なるべく少ない荷物で出かけて
なるべく色んな景色を見てみる
ひとりでどこまで行けるか試して
最後にこの手に何が残るかを
確かめたい

目的地まではまだまだあるけど
最短距離で向かう必要はないな
ひとりでここまで来たわけじゃないが
最後にこの目に何が映るかを
確かめたいだけ 焼きつけたいだけ

あのロータリー
時に土砂降りの雨に打たれることもあるけど
アイワナビー
雲の切れ間から落ちてくる優しい光のように

あれはいつかのダンスホール
ひとりでにステップを踏んだ
終わらない旅路の中で泣きながら踊った

なるべく少ない言葉で伝えて
なるべく色んな気持ちに会いたい
何度振り出しに戻ったとしても
後悔の手招きに惑わされないように

風が吹いて気づく現在地
悩みながらもここまで来たこと

あのロータリー
後ろ姿から滲む夕暮れに用はないけど
アイワナビー
苦手な季節に逆らわなくても抜け出せるように

擦り傷をふと思い出す
夢と現実の瘡蓋
恐らくこの先もずっと俺は俺なんだろう
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