瑠璃あざみ

濡れてゆきます このまま一人
肩に冷たい 走り雨
人目忍んで 隠れ宿
何度この道 通ったか
雨に打たれて 咲く花は
心とがめる 瑠璃あざみ

行こか戻ろか ためらいながら
女ごころの 通せんぼ
今日が最後と 決めたのに
逢えば崩れる 私です
匂いたつよに 咲く花は
あなた誘って 瑠璃あざみ

髪の乱れを 恥じらうように
隠す胸もと 紅の裾
帰りたくない 帰さない
白い素足が 艶(いろ)めいて
縋る想いで 咲く花は
何故に哀しい 瑠璃あざみ
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