木綿

洗濯そうの中を のぞきこんでる午前8時
だんだん 渦の中 飲み込まれてく
この瞬間
少しの満足感と
多くの嫌悪感で
目が回っていく

君の白いシャツが
泡に塗れる キラリキラリ
私の淡い恋が
溶けてなくなる…
あとかたもない程に

金木犀の匂いに うっとり眠りそうな午後1時
曖昧な季節ほど心地いいものも
ないだろうな
色づく街路樹の
黄色が騒めいた
耳澄ませば

君の赤い頬に
この手をあてて確かめていた
あの日のまま変われない
私を笑う
君の声がきこえる

君の白いシャツが
風に揺れてる ゆらり ゆらり
私の弱い決心に
影をおどらす ふわり ふわり

君の白いシャツが
風に揺れてる ゆらり ゆらり
私の淡い恋は
溶けてなくなる…

あとかたもない程に
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