夢見月夜

今は昔 星降る夜
君が空に指をさした
ひとつ ふたつ 数える度に
願い事が募っていく

ひらひら 儚げに一片舞い落ちる
花のようなこの歌に 火を灯して

己が姿 あの月影(つきかげ)に
馳せる想いばかり また増えていく
いつか散りゆく 浅き夢だとしても
伝う雫 刹那の香に融けて

遥か遠く 過ぎ行く春
「変わらないよ」と約束した

ゆらゆら 朧げに戸惑い舞い揺れる
陽炎のような憧れに 身を焦がして

君が姿 この現世(うつしよ)に
誰も代えられない者だと知って
あの日交わした 言葉が今もずっと
優しい声が 名前を呼んでいるの

徒(いたずら)に時が過ぎれば
幼い日の思い出も泡沫へと

蒼く淡く 光る月夜に
私は初めて愛を知るのでしょう
己が運命(さだめ)と 浅き夢の狭間で
伝う雫 止められない

己が姿 あの月影(つきかげ)に
馳せる想いばかり また増えていく
いつか散りゆく 浅き夢だとしても
伝う雫 刹那の香に融けて
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