磐越西線ひとり

恋を失くして 人はなぜ
北の旅路を 選ぶのでしょう
年も十六 若すぎる
わたし初めて ひとり旅
いつかこんな日 来るために
愛をささげた わけじゃない
磐越西線 会津は雪よ

迷路みたいな トンネルを
抜けて明日(あした)が みつかりますか
猪苗代湖(いなわしろこ)は 白鳥(はくちょう)も
羽を凍らせ 耐えている
弱いわたしを うつし出す
窓に描(えが)くの 「さよなら」と
磐越西線 列車がきしむ

吹雪おさまり 夕映えが
空を染めます 磐梯山に
自分責めたり 恨んだり
それは愚(おろ)かと 気づきます
ガラス細工の 十代が
強くやさしく なれたよな
磐越西線 涙が熱い
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