一年草

時の谷間に咲く三色すみれ
プリズムのように 季節をうつす
好きな花はみな一年草
ビロードの花べん 見つめながら
遠い昔を 重ねてみるの

街の花屋で見る忘れな草は
うすくれないに 私を染める
好きな花はみな一年草
一人言の癖 つき始めて
足を早める 夕暮れの中

頬が冷たい秋コスモスの花
風に揺れてる 心が一つ
好きな花はみな一年草
そう言って去った あなたのこと
思い出すのも 今は辛いの

「好きな花はみな一年草」
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