森の唄

人は時に どこか遠く
誰も住まない森へ行きたいものです
何も悲しみあるというのでなくても
幸せが足りないというのでなくても
森につつまれて思い切り
けもののような声で
ウオー ウオー ウオー
みだらなほど叫んでみたいものです

人はある日 はるかかなたに
黒々とした森を かいま見るものです
たとえにぎやかな街の通りであっても
二人の打ちとけた時間であっても
森をめがけて ひと息に
けものになったつもりで
ウオー ウオー ウオー
野蛮(やばん)なほど かけ込んでみたいものです
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