指わ物語

別に欲しくなかった指輪
オニオンリングもおんなじと思ってた
過呼吸持ちの天使
強気で泣き虫
知らない夢見る瞳

でまた愛なんて言ってさ
愛なんて言ってさ
そんな言葉
暮らしの足しにもなんない幻

引っ張って捻って
引っ掻いて抓って突いて
指は物語ね
千年、万年、億

ぬるく甘い夏の終わりが
眩しいほどの秋の光が
僕らの人生をどれほど
諦めさせても
無謀なプロポーズ
言って言って
言えなくなる前に

恋の終わりは嵐
二人は戻れない
茨の路地裏
手を引いて爪を食い込ませて
だけどなぜにまた

愛なんて言ってさ
愛なんて言ってさ
こんな指輪
暮らしの足しにもならない
でも欲しい

引っ張って捻って
秘めて握って結って
指は物語ね
千年
じゃなくて
今すぐ
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