花火が鳴って

台風去ってなごり風
雨上がってオレンジに染まる
雑草の濡れた匂いと
はしゃぐ声がした窓の向こうから

いつもは誰もいないような
河川沿いに成す人の群れ
駆け足の僕ら待たないで
はじまりの合図が聞こえた

夜空を駆け上るひゅるりひらり
花、鳴る方へ向かう

君はあの日のままでその目は温かくて
次の花火が鳴ってまだ僕らは見えなくて

10年前よりもずっと
綺麗に映って見えるのが
あの頃よりも退屈な
生活だと言われてるみたいだな

フィナーレが始まりそう
そんな気配がしたよ

君は空に見惚れて僕は恋に気付いて
次の花火が鳴って言葉は届かなくて

2人大人になっても
変わらずいれますように
僕らは何度だってこの夏に帰ろう

あの光のように
君に触れられない
遅れて鳴る音は
追いつけない僕だ

見上げたこの空を
忘れないでいよう
思い出の栞を
歩き出す僕らへ

台風去ってなごり風
雨上がってオレンジに染まる
雑草の濡れた匂いと
はしゃぐ声がした窓の向こうから
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