浪花のごんた

みんな知ってる あんたのことは
ガキの頃から 腕白で
傷のたえないデボチン 向う脛(ずね)
いつも庇(かぼ)うて あげたのは
キタで育ったウチだけや
あゝ どこで逸(はぐ)れた どこで逸(はぐ)れた
浪花のごんた

いつも想い出す あんたのことを
目出度 目出度と誰からも
云うて貰えず祝言挙げた春
梅も桜も早すぎて
雪がチラチラ寒かった
あゝ どないなってる どないなってる
浪花のごんた

忘れられへん あんたのことは
今日が別れの日に寄った
お初天神 最寄りの小料理屋
鱧の落しで飲んだ酒
辛いあの味 覚えてる
あゝ 好きや今でも 好きや今でも 浪花のごんた
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