うそつき

冷たい風が吹くから
ぎゅっと掴んだ それぞれの距離と
うそつきになれないから
願ってもその先は きっと聞けない
このままずっと 泳いでくような
毎日なら 溺れてしまいたいけど
不器用な笑顔 どこへ行ったの?
記憶の中また探した

「さよなら。」がどこかへ
消えたらあなたさえ 忘れてしまえれば良かったのに
叶わない未来は それでも好きなのは
頷く私だけで 解けてく指を止めて

優しさはいらないのに
いつもそうだね「ごめんね」はやめて
言い訳にもならないね
最後くらい 強く正しくいさせて
こんなに深い水槽の底
凍えてしまうくらい ひとりワガママを
ぶつけられたら それでもきっと
あなたは笑ってくれるだけ

「さよなら。」も言えない
泣いてるだけの私のこと 置いてけぼりでいいのに
歩き出せないのは 忘れられないのは
頷く私だけで 思い出の抜け殻

「平気だよ」とか言えたらいいけど
同じ気持ちじゃないから
何も言えなくて

サヨナラのついでに
ウソツキになってよ それから振り向いたりしないでよ
寄せては返してく 波に攫われたら
戻れない日々の中へ
溶けてゆく

「さよなら。」がどこかへ
消えたらあなたさえ 忘れてしまえれば良かったのに
叶わない未来は それでも好きなのは
頷く私だけで ほどけてくその手の
温もりを感じさせて
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