夜更けのメスト

胸にぐさりと 片割れ月が
刺さりこらえる 夜更けのメスト
わたし惚れたら 一途な女
耳に残って 離れない
あのとき俺に 意気地があれば
どこか消え去れ 恋情け

冷酒(ひや)をひっかけ こころの挽歌
ひとり淋しい 夜更けのメスト
過ぎた昔に 未練はないが
窓に面影 忍び寄る
あのとき俺に 意気地があれば
春にそむいて いやしない

なまじ命の 崩れた夢を
追えばなおさら 夜更けのメスト
詫びてみたって 戻らぬあの日
俺を恨んで いるだろか
あのとき俺に 意気地があれば
かくす涙の 雨が降る
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