あじさい二年坂

千本格子に 灯がともりゃ
諦めみたいに 日が落ちる
哀しいほどに 愛しいあなた
待つより他には ないのでしょうか
淋しく咲いて 色変える
なみだ七色 紫陽花二年坂

忘れてしまえる 人ならば
こんなに心が 痛まない
愛したはずが 重荷になって
あなたを縛って いたのでしょうか
もどらぬ人の 恋しさを
花にささやく 紫陽花二年坂

よく似たお人を 見かけたと
噂にすがって 今宮へ
やすらい祭り 囃子の笛に
ひかれて尋ねて 来たのでしょうか
逢えないひとの 面影に
生きる女の 紫陽花二年坂
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