少年とパレット

褪せていくキャンバス未だ線一つ描いちゃいないのに
乾いたパレットに強ばった色と止まった時間
「ちっぽけ」とか大きなものを知ったような言い方して
囲われた世界で懸命に生きてんだ

あの時は良かった美化される想い出
人とは違う最高をまた見失って

どうせみんないつかは死ぬんだ
だから言わずじまいじゃ終われない
何でもないような事に意味なんか持たせようとして

欲しかった言葉も響かなくなってしまって
涼しい風が吹く隣を見て淋しさ紛らわしたんだ

前から見たキャンバスは無色透明で
乾いて後ろを振り返れば 青く眩しくて
これは幻なんかじゃなく今尚見ているあなた
若人よ、自分色に染まれ

覚えたてのコードポケットに歌った僕だけの賛歌

色が重なってゆく

黒く淀んだ雲が僕を飲み込もうとしても
その奥で待っている あなたを見失わぬ様に指さしてた

僕が見たキャンバスはまだ何色でもなくて
名もなき群像をひたすらに描いていく
舞い散る花びら覚えていますか?
初めて描いた不格好な一輪花
前から見たキャンバスは無色透明で
乾いて後ろを振り返れば 青く眩しくて
これは幻なんかじゃなく今尚見ているあなた
若人よ、自分色に染まれ
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