恋人形

あなたのことばかりを
おしゃべりする私に
人は呆れて言う“恋人形”

片想いの恋でも
見つめているだけでも
それだけでもいいと 思っていた

だけど心は欲ばりなもの
少しずつ階段 のぼり出す

動き始めた恋人形に
気付いたらせめて声をかけて
微笑のブーケを投げて欲しいけど
あなたにとって私なんかは
沢山の中の一人でしょう
だから明日も 私は恋人形

いつか あなたのために
ウエディングドレスを着る
そんな夢に酔うの 恋人形

リボンで髪を束ね
白いベールに包まれ
腕を組めば鐘が 鳴り響く

だけどそれは おとぎ話しだわ
目と目合わせることもできない

哀しい音色のオルゴールに
つられて踊り続ける夜は
月の光にさえ あなたが浮かぶの
星の数ほど愛があるなら
たったひとつだけ私のために……
頬杖ついて溜息 恋人形

星の数ほど愛があるなら
たったひとつだけ私のために……
頬杖ついて溜息 恋人形
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