紫刻

何を笑った 何を嘆いた
舟は消えて さざ波だけ

浮き足ねじって
もだえる炎天下の虫
何を嘆いた

何を笑った 蓋を開いて
熱さを諦めた 蕾たちよ

ひとりだけ 私と 目を合わせた

“さあ
地獄の歌を聴け

私を殺して
私を殺して
私を殺して
私を殺して
(舟は遠く)

私を殺して生きるすべてよ”
×