高円寺にて

幽霊線に乗って 双六みたいな街を抜けて
つくりかけのメロディと彼女と手を繋いで

僕らなんにもない バイトも今日はない
ほだされた頭ふたつぶら下げて君に逢いにゆく

夜行線 手を伸ばして 朝焼けをずっと待って
燃えさしのメロディと缶コーヒー飲み干して

僕ら忙しくなった バイトはもうやめた
何千回何万回望んだ未来で首をくくる

環状七号線を越えて 純情は西へ東へ
僕らなんにもない なんにもないもない

花の名前の一つさえ 忘れずに暮らしていた
逢いたいなんて言えなかった
さよならは高円寺にて

やけに静かな胸騒ぎ 心の奥の奥の方
電車が止まらないなら君に逢えないのさ

愛なき世界じゃないのにね いつも迷ってしまうのだ
なんでどうして どうして忘れられないんだろう

寂しくなるけれど もう大丈夫だよ
また逢いたいなんて言わないさ
さよならは高円寺にて

僕らは君の遺したこの街と 離れて暮らすと決めたよ
花に嵐のたとえもあるさ さよならは高円寺にて
さよならは高円寺にて
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