もうひとつの土曜日

昨夜眠れずに 泣いていたんだろう
彼からの電話 待ち続けて
テーブルの向こうで 君は笑うけど
瞳ふちどる 悲しみの影

息がつまる程 人波に押されて
夕暮れ電車で アパートへ帰る
ただ週末の僅かな 彼との時を
つなぎ合わせて 君は生きてる

もう彼のことは 忘れてしまえよ
まだ君は若く その頬の涙
乾かせる誰かが この町のどこかで
君のことを 待ち続けている

振り向いて
探して

君を想う時 喜びと悲しみ
ふたつの想いに 揺れ動いている
君を裁こうとする その心が
時におれを 傷つけてしまう

今夜町に出よう 友達に借りた
オンボロ車で 海まで走ろう
この週末の夜は おれにくれないか
たとえ最初で 最後の夜でも

真直ぐに
見つめて

子供の頃 君が夢見ていたもの
叶えることなど 出来ないかもしれない
ただ いつも傍にいて 手をかしてあげよう
受け取って欲しい この指輪を
受け取って欲しい この心を
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