卑怯者

私の気持ちを彼は知ってる
ずっとこのままふたりで居たいこと
思い出を増やしたいこと
未来を一緒に見たいこと

彼の気持ちを私は知ってる
今だけのお遊びだと言うこと
思い出も必要ないこと
未来を全く見ていなかったこと

分かっているのに
どうして今一緒に居るのか?の
問いかけには
なにも言葉が出てこない

卑怯者
好きと言ってくれないのに
「ありがとう」なんて言うのは
あまりに卑怯じゃないの?
卑怯者
お互い分かってる これからは
もう少し先の話にしたい
卑怯者

フェスで狂ったように踊ったあの夏
食欲の季節を言い訳に沢山食べたあの秋
寒いのは嫌だとどこにも行かなかったあの冬
やっと外に出て夜桜を見に行ったあの春

どこに行っても どんな季節も
あなたとの思い出ばかりで

もうこれからは全部ひとりで迎えるんだね
上書きできる程の濃い季節が来ると願って

卑怯者
なにも言ってないけど
なんとなく分かった最後の日
バイバイした後で
卑怯者
1度も振り向くことのなかった
あなたの背中を見て気付いたの
卑怯者

そっか、私ずっと背中を見てたんだ
そっか、私ずっと背中追いかけてたんだ
1度だって隣を歩いたことはなかったんだね

卑怯者
好きと言ってくれないのに
「ありがとう」なんて言うのは
あまりに卑怯じゃないの?
卑怯者
お互い分かってる これからは
もう少し先の話にしたい
卑怯者
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