最後のわがまま

静かにドアを開け ひとり夜に消える
あなたの寝顔に背中を向けて
小さなスーツケース 着替えだけ詰めたら
幸せすぎた思い出も置いてくわ

あなたなしで歩いて行ける未来が見えて
ぬくもりから抜け出した 風のなかへと

誰より愛したあなたを
憎しみで汚す前に
最後のわがままわかって
さよならする理由にさせて

夜明けに急ぐ街 葡萄色の空を
ライトで縫うようにバスは走るの
寝たふりしてくれたあなたの優しさが
まぶたの裏で少しずつ遠ざかる

生きる意味を見失うほど守られてたね
ふたりでいる それだけでダメになってた

何より愛しい記憶を
大切に終えるために
最後のわがまま許して
私への愛をあきらめて

誰より愛したあなたを
憎しみで汚す前に
最後のわがままわかって
さよならする理由にさせて
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