ビャクレンのうた

ああ街角で揺れる人の影
誰もいない声を探すように
ああこれはもう酷く寒い夢
覚ますことなど出来ないまま

月日は流れ景色は流れ
次第に足は絡まり止まるのに
時計は進み全て置き去り
夜に怯えて朝に眠る

今ビャクレンとなり咲き誇れ
消えないで行かないで
枯れて尚うえをむけ
明けない夜が明けたなら
要らないよ!何も要らない!
さよなら言えないね
でも待って、もうサヨナラ

ああ百年経った愛のその先で
触れることすら出来ないまま

地球は廻り血肉は踊る
まるで明日世界が終わるように
鳥は虚しく虚空に喋る
欲しい分だけ奪われてく

今季節は変わり色めいて
散らないで死なないで
切り取って一頁になれ
雨の正体を明かしたら
指の間を擦り抜ける涙かな
今どこで泣いてるの?
行かなくちゃ

貰った命 抱え背負わなくていい
生きてるだけでじゅうぶんだから

運命よ逃げずに立ち向かえ
運命よ逃げずに受け入れて
歩いてゆこう。

今ビャクレンとなり咲き誇れ
消えないで行かないで
枯れて尚うえをむけ
明けない夜が明けたなら
要らないよ!何も要らない!
さよなら言えるんだ
胸張って、もうサヨナラ
本当に本当に、もうサヨナラ
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