アンヘドニアの森

アンヘドニアの森に
一緒に行ってくれませんか

誰かを特別にしたくなくて
はじめては名も知らぬバーで捨てた
予想できる罪や傷は楽だし
あきらめは救いの手段だ

夢で見たような寂しさを
現実に引きずり出している
昔は良かったとも思えないが
今よりは笑えていたと思う

天国のママが呼んでいるって
飛んでしまったあいつは
地元じゃ女神様のように
語られている

アンヘドニアの森に
一緒に行ってくれませんか
誰もが誰も不幸ばかりの
展覧会をしていられる

アンヘドニアの森に
一緒に行ってくれませんか
誰もがごっこ遊びをしながら
この空気に生かされている

自分が何者か分からないのは
全部が全部きみのせいなんだ
愛するものさえいなくなれば
自分は強くなれるなんて

映画の悪役の出世譚みたいな
馬鹿らしい展開に
感化されたあたしたち
自由とは程遠い

アンヘドニアの森に
一緒に行ってくれませんか
誰もが誰も夢ばかり見て
後始末を忘れている

アンヘドニアの森に
一緒に行ってくれませんか
泣くべき時に涙も出ない
錆びついた日々の残像!

ホテルの窓から飛んだあいつが
いつも持ってたバッグの
ピンク色と揺れるマスコットが
忘れられない

アンヘドニアの森に
一緒に行ってくれませんか

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