立派なお人

轢き殺された ほとんど首がとれたバンビ連れて
夢にも出てこないホネギスと 神のハイウェイで
白線ぎわふざけたコスモス あえて踏みつけて罪深いな
子供に話せる物語に 死んだ目の悪は不可欠だな

立派な お人さ 天国の 最寄りまで
彼は 近づいて 踵を返して地獄にキスをする
なんで
なんで?

少女が目を覚まし
“あいついつまであそこを歩いてるの”
とぼとぼゆくさ 丘ひとつない地平の向こうへ

立派な 旅路さ 魂すら 見え透いている
とはいえ気にしない 希望が腐り果て 匂いがしても
最後
最後
楽園の門を通れないだろう
最後
最後
満面の笑みで野垂れて
ハロー
ハロー
ハロー
ハロー!
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